住宅ローンを完済したのに、そのまま放置している抵当権。実は、住宅ローンを完済しても、自動的に抵当権が消えるわけではありません。抵当権抹消の手続きをしないと、不動産を売却したり、新たなローンを組んだりする際に、大きな支障をきたしてしまう可能性があります。この記事では、抵当権抹消を安く、スムーズに行うための方法を、司法書士選びから手続きの流れ、よくある質問まで詳しく解説します。あなたも、安心して抵当権を抹消できるよう、ぜひ最後まで読んでみてください。
住宅ローン完済後の抵当権抹消手続き、安く済ませたいけどどうすればいいの?
住宅ローン完済後、金融機関から抵当権抹消に必要な書類が届いても、そのまま放置してしまう方は少なくありません。「面倒だな」「費用が高いんじゃないか」と、つい後回しにしてしまう気持ち、よく分かります。でも、放置すると様々なリスクが潜んでいるので注意が必要です。
抵当権抹消とは?なぜ必要なの?
抵当権抹消とは、住宅ローンを借りる際に不動産を担保にしていた状態を解除し、登記簿から抵当権の記録を消す手続きのことです。なぜ抵当権を抹消する必要があるのでしょうか?それは、抵当権が残っていると、不動産の売却や再融資などが難しくなってしまうからです。
抵当権が残っているとどうなる?
- 不動産を売却できない:抵当権が残っていると、たとえローンを完済していても、買主は「まだローンが残っているのかもしれない」と不安に思い、購入をためらってしまう可能性があります。売却をスムーズに進めるためにも、抵当権は抹消しておきましょう。
- 新たなローンを組みづらい:抵当権が残っていると、金融機関は「すでに抵当権が設定されているため、返済が滞った場合に回収が難しくなる」と判断し、融資を渋る可能性があります。特に、住宅ローンを借り換える際に、抵当権が残っていると、借り換えが難しくなるケースも。
- 相続手続きが複雑になる:抵当権が残ったまま相続が発生した場合、相続手続きが複雑になる可能性があります。抵当権を抹消しておけば、相続手続きもスムーズに行えます。
抵当権抹消にかかる費用は?
抵当権抹消にかかる費用は、大きく分けて「登録免許税」と「司法書士報酬」の2つがあります。
- 登録免許税:不動産の個数によって異なります。1個につき1,000円なので、土地1筆と建物1棟の場合、2,000円となります。マンションの場合、敷地権の筆数も加算されるため、敷地権が1つあれば、2,000円かかります。
- 司法書士報酬:司法書士によって異なりますが、10,000円~20,000円程度が相場です。
抵当権抹消の手続きは自分でできるの?
抵当権抹消の手続きは、自分で行うことも可能です。しかし、法務局への書類提出や手続きなど、初めての方にとっては少し難しいと感じられるかもしれません。また、書類に不備があると、修正のために再度法務局へ行く必要があり、時間がかかってしまうことも。
司法書士に依頼する場合の費用は?
司法書士に依頼する場合は、司法書士報酬の他に、登録免許税や登記簿謄本取得費用などの実費も必要です。司法書士報酬は、事務所によって異なりますが、10,000円~20,000円程度が相場です。ただし、不動産の個数や手続きの難易度によって、費用は変動します。
抵当権抹消費用を安くする方法
抵当権抹消にかかる費用を少しでも抑えたいですよね。ここでは、費用を抑えるための具体的な方法をご紹介します。
司法書士の選び方
司法書士選びは、抵当権抹消費用を安く抑える上で非常に重要です。安易に金融機関の紹介だけに頼らず、複数の司法書士から見積もりを取り、比較検討することがおすすめです。
複数の司法書士に見積もりを依頼する
複数の司法書士に見積もりを依頼することで、費用やサービス内容を比較できます。最近は、オンラインで簡単に複数事務所に見積もり依頼ができるサービスも登場しているので、積極的に利用してみましょう。
司法書士の報酬体系を確認する
司法書士の報酬体系は、事務所によって異なります。定額制、時間制、成功報酬制など、様々な料金体系があります。自分に合った料金体系の司法書士を選びましょう。
口コミや評判を参考に
実際に司法書士を利用した方の口コミや評判は、非常に参考になります。インターネットで検索したり、知人から情報収集したりして、評判の良い司法書士を探してみましょう。
オンラインサービスの利用
近年では、オンラインで抵当権抹消手続きを代行してくれるサービスも増えています。オンラインサービスを利用すれば、従来よりも安く、手続きもスムーズに進むことが多いです。ただし、サービス内容や評判をよく確認してから利用するようにしましょう。
抵当権抹消の手続きの流れ
抵当権抹消の手続きは、大きく分けて以下の4つのステップで行います。
必要な書類を揃える
抵当権抹消の手続きには、以下の書類が必要です。
- 金融機関から送られてきた抵当権抹消書類一式:解除証書、登記識別情報通知、金融機関委任状など。書類に有効期限がある場合があるので注意が必要です。
- 所有者の本人確認書類:運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどのコピー
- 所有者の印鑑証明書:法務局で取得する必要があります。
- 委任状:司法書士に依頼する場合は、委任状を作成する必要があります。
これらの書類を準備したら、司法書士に依頼するか、自分で手続きを進めるかを決めましょう。
司法書士に依頼する場合は委任状を作成
司法書士に依頼する場合は、委任状を作成する必要があります。委任状は、司法書士に抵当権抹消の手続きを委任することを示す書類です。司法書士事務所から委任状の書式が送られてくるので、それに必要事項を記入して署名・捺印し、返送します。
法務局に書類を提出
司法書士に依頼する場合は、司法書士が法務局に書類を提出します。自分で手続きする場合は、自分で法務局へ行き、書類を提出します。法務局の窓口で書類をチェックしてもらうことができます。書類に不備があると、修正のために再度法務局へ行く必要があるため、事前に確認しておくと安心です。
登記完了の通知を受ける
法務局に書類を提出後、通常1週間程度で登記が完了します。登記が完了すると、法務局から登記完了の通知が送られてきます。
抵当権抹消登記完了
登記完了の通知を受けたら、抵当権抹消登記は完了です。司法書士に依頼した場合、完了書類は司法書士から送られてきます。自分で手続きをした場合は、法務局で完了書類を受け取ります。
抵当権抹消に関するよくある質問
抵当権抹消に関するよくある質問をまとめました。
抵当権抹消手続きは自分で行うほうが安い?
自分で行う場合は、司法書士報酬がかからないので、費用を抑えることができます。しかし、手続きに時間がかかったり、書類に不備があったりすると、かえって費用がかかってしまう可能性もあります。自分の時間や労力を考えると、司法書士に依頼する方が、トータルで安くなる場合もあります。
抵当権抹消を放置するとどうなる?
抵当権抹消を放置すると、以下のようなリスクがあります。
- 不動産を売却できない
- 新たなローンを組みづらい
- 相続手続きが複雑になる
これらのリスクを回避するためにも、抵当権は早めに抹消しておきましょう。
抵当権抹消登記の費用は誰が負担するの?
抵当権抹消登記の費用は、基本的に不動産の所有者が負担します。ただし、不動産を売却する場合などは、売買契約書で売主が負担することになっている場合もあります。
抵当権抹消登記にかかる時間はどのくらい?
抵当権抹消登記にかかる時間は、手続きの難易度や法務局の混雑状況によって異なります。通常、1週間程度で完了しますが、場合によっては、1か月以上かかることもあります。
抵当権抹消登記の必要書類がわからない…
抵当権抹消登記に必要な書類は、金融機関から送られてくる書類一式の中に含まれています。もし、書類が見当たらない場合は、金融機関に問い合わせてください。司法書士に依頼する場合は、司法書士が書類の確認をしてくれるので、安心です。
まとめ|抵当権抹消を安く、スムーズに行うために
抵当権抹消は、放置すると様々なリスクが伴うため、早めに手続きを進めることが大切です。費用を安く、スムーズに行うためには、以下のポイントを押さえましょう。
司法書士選びが重要
複数の司法書士から見積もりを取り、費用やサービス内容を比較しましょう。評判の良い司法書士を選ぶことも重要です。
手続きの流れを理解する
抵当権抹消の手続きの流れを理解しておけば、スムーズに手続きを進めることができます。不明な点は、司法書士に相談しましょう。
疑問点は早めに相談する
抵当権抹消に関する疑問点は、早めに司法書士に相談しましょう。相談することで、不安を解消し、手続きをスムーズに進めることができます。
抵当権抹消は放置せずに、早めに手続きを済ませましょう
抵当権抹消は、放置すると様々なリスクが伴います。安心して不動産を売却したり、新たなローンを組んだりするためにも、早めに手続きを済ませておきましょう。