借地権は登記なしでも大丈夫？知っておきたい注意点と登記の必要性

借地権は、土地を所有せずに建物を建てることができる権利のこと。土地を所有する地主から土地を借りて、その上に家を建てたり、マンションを建てたりできます。しかし、借地権は所有権とは異なるため、登記の必要性や注意点などを理解しておかないと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
この記事では、借地権の登記について、登記の必要性、登記されていない場合のリスク、登記の手続き方法、よくある質問などを詳しく解説していきます。借地権を持っている方、これから借地権を取得しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

借地権登記の必要性と登記されていない場合のリスク
借地権登記が必要となるケース
借地権登記の手続き方法
借地権登記に関するよくある質問
借地権登記に関するまとめ

借地権登記の必要性と登記されていない場合のリスク

借地権は、登記をしなくても、借地上の建物を所有していることを証明できれば、第三者に借地権があることを主張できます。そのため、借地権自体を登記するケースは多くありません。しかし、登記されていない場合、いくつかのリスクがあります。

借地権登記の必要性とは？

借地権の登記には、第三者に対して借地権の存在を主張できる「対抗力」という効果があります。具体的には、以下の様なケースで重要になります。

地主が土地を売却した場合
借地権を譲渡した場合
借地権を相続した場合
借地契約を解消した場合
建物を新築・増改築した場合

例えば、地主が土地を売却し、新しい所有者が借地権の存在を知らずに土地を購入した場合、借地権者は、借地権を登記していなければ、新しい所有者に対して借地権を主張することができません。その結果、立ち退きを要求される可能性もあります。

登記されていない場合の法的リスク

借地権を登記していないと、以下の様なリスクがあります。

第三者に対して借地権を主張することができなくなる可能性がある
借地権の譲渡や相続がスムーズに行えない可能性がある
地主とのトラブルに発展する可能性がある

特に、借地権を譲渡したり、相続したりする場合には、登記をしておくことで、手続きがスムーズに行いやすくなります。また、地主とのトラブルを避けるためにも、登記をしておくことが大切です。

借地権登記のメリット

借地権を登記することには、以下のメリットがあります。

第三者に対して借地権の存在を明確に主張できる
借地権の譲渡や相続がスムーズに行える
地主とのトラブルを回避できる
借地権を担保に資金を借りやすくなる場合がある

借地権登記のデメリット

借地権登記には、以下のデメリットがあります。

登記費用がかかる
登記手続きに時間がかかる
地主の承諾が必要な場合がある

登記費用は、固定資産税評価額によって異なりますが、数万円から数十万円かかることもあります。また、登記手続きには、数週間から数か月かかる場合もあります。さらに、地主によっては、借地権登記に承諾しない場合もあります。

借地権登記の費用

借地権登記にかかる費用は、登録免許税と司法書士報酬の二つがあります。

登録免許税：固定資産税評価額の1％
司法書士報酬：3万円～5万円程度

固定資産税評価額が1,000万円の場合、登録免許税は10万円、司法書士報酬は3万円～5万円程度なので、合計13万円～15万円程度になります。登記費用は、地域や司法書士事務所によって異なるため、事前に問い合わせて確認するようにしましょう。

借地権登記が必要となるケース

借地権登記は、必ずしも必要というわけではありませんが、以下のようなケースでは、登記を検討する必要があるでしょう。

借地契約を締結する際

借地契約を締結する際には、借地権の登記について、地主とよく話し合い、必要があれば登記を行うようにしましょう。特に、以下の様な場合は、登記を検討する必要があります。

借地契約期間が長い場合
将来的に借地権を譲渡したり、相続したりする可能性がある場合
借地権を担保に資金を借りる可能性がある場合

借地権を譲渡する際

借地権を譲渡する場合、登記をしておくことで、手続きがスムーズに行いやすくなります。また、新しい所有者に対して、借地権の存在を明確に主張することができます。登記は、借地権を譲渡する前に済ませておくようにしましょう。

借地権を相続する際

借地権を相続する場合、登記をしておくことで、相続手続きがスムーズに行いやすくなります。また、相続した借地権を第三者に譲渡したり、担保に資金を借りたりする場合にも、登記が役立ちます。相続登記は、相続が発生したことを知った日から3年以内に済ませておくようにしましょう。

借地契約を解消する際

借地契約を解消する場合、登記をしておくことで、地主に対して、借地権が解消されたことを明確に主張することができます。また、借地権の解消に伴い、借地上の建物を解体する場合にも、登記が役立ちます。借地契約を解消する前に、登記を検討するようにしましょう。

建物を新築・増改築する際

建物を新築・増改築する際には、地主の承諾が必要になります。その際に、借地権を登記しておけば、地主に対して、建物の新築・増改築の許可をスムーズに得られる可能性があります。また、建物の新築・増改築に伴い、借地権の変更が必要となる場合もあるため、事前に登記を検討しておきましょう。

借地権登記の手続き方法

借地権登記は、司法書士に依頼するのが一般的です。司法書士は、登記手続きの専門家なので、手続きをスムーズに行うことができます。司法書士に依頼する場合は、事前に相談して、費用や手続きの流れなどを確認するようにしましょう。

必要な書類

借地権登記に必要な書類は、以下のとおりです。

借地契約書
地主の印鑑証明書
借地権者の印鑑証明書
土地の登記識別情報
固定資産税評価証明書
委任状（司法書士に依頼する場合）

これらの書類は、地主や司法書士から入手することができます。

申請方法

借地権登記の申請方法は、以下のとおりです。

法務局へ直接提出
郵送
オンライン申請

申請方法は、法務局によって異なるため、事前に問い合わせて確認するようにしましょう。

申請先

借地権登記の申請先は、土地の所在地を管轄する法務局です。法務局の所在地は、法務局のホームページで確認することができます。

登記完了までの期間

登記完了までの期間は、法務局の審査状況によって異なりますが、通常は数週間から数か月かかります。

登記費用

登記費用は、登録免許税と司法書士報酬の二つがあります。

登録免許税：固定資産税評価額の1％
司法書士報酬：3万円～5万円程度

登記費用は、地域や司法書士事務所によって異なるため、事前に問い合わせて確認するようにしましょう。

借地権登記に関するよくある質問

借地権登記について、よくある質問をまとめました。

借地権登記は誰がするのか？

借地権登記は、原則として、借地権者と地主が共同で行う必要があります。ただし、地主が登記に協力しない場合は、借地権者は、単独で登記を行うことはできません。

借地権登記はいつまでにしなければならないのか？

借地権登記に期限はありません。ただし、借地権を譲渡したり、相続したりする場合には、できるだけ早く登記を行うようにしましょう。また、地主とのトラブルを避けるためにも、登記を検討することをおすすめします。

借地権登記は自分でできるのか？

借地権登記は、自分で行うこともできますが、手続きが複雑で、専門知識が必要になります。そのため、司法書士に依頼するのが一般的です。

借地権登記をしないとどうなるのか？

借地権登記をしないと、第三者に対して借地権を主張することができなくなる可能性があります。また、借地権の譲渡や相続がスムーズに行えない可能性もあります。さらに、地主とのトラブルに発展する可能性もあります。

借地権登記の費用はどのくらいかかるのか？

借地権登記の費用は、登録免許税と司法書士報酬の二つがあります。登録免許税は、固定資産税評価額の1％です。司法書士報酬は、3万円～5万円程度です。登記費用は、地域や司法書士事務所によって異なるため、事前に問い合わせて確認するようにしましょう。

借地権登記に関するまとめ

借地権登記は、必ずしも必要というわけではありませんが、いくつかのメリットがあります。借地権登記を検討する際には、メリットとデメリットを比較検討し、自分の状況に合わせて判断するようにしましょう。

借地権登記の必要性

借地権登記は、第三者に対して借地権の存在を主張できる「対抗力」という効果があります。特に、借地権を譲渡したり、相続したりする場合には、登記をしておくことで、手続きがスムーズに行いやすくなります。

借地権登記のメリットとデメリット

借地権登記には、第三者に対して借地権を明確に主張できる、借地権の譲渡や相続がスムーズに行える、地主とのトラブルを回避できる、借地権を担保に資金を借りやすくなる場合がある、などのメリットがあります。一方で、登記費用がかかる、登記手続きに時間がかかる、地主の承諾が必要な場合がある、などのデメリットもあります。